男の惨め射精シーンのある映画5選
射精する時って、すっごく気持ちいいですよね。それが好きな人とのセックス中や、好みのオカズ見つけたオナニー中だったら、それは間違いなく「幸福」と呼べる状態なのではないでしょうか。
でも、いつも望み通りの状況、タイミングで射精ができるとは限りません。射精の瞬間にAV男優のケツに画面が切り替わったり、挿入を目前に志半ばにして射精してしまうなど、意図しない射精は枚挙に遑がありません。望まぬ射精もあるのです。
しかし、そんな望まぬ状況においても、射精は抗い難い快感を呼んでしまうもの。
筆者は手コキで射精した瞬間に手を離され、最後まで気持ち良くしてもらえない台無し射精や、ゴミ箱に直接射精して自分の遺伝子を否定された気分になる、などを嗜んでおり、
なんでこんな気持ちにならなくてはいけないんだ、という惨めさと、
それでも射精による快感に抗えない男という生き物のどうしようもなさに興奮を覚えています。
なんだか可愛くてえっちだなあと思うので、今回はそんな惨め射精に焦点を当てて、惨め射精シーンのみに注目して映画を紹介していきます。
※以下、ネタバレ感想込みになるので未見の方はご注意ください※
1. 『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』
1997年 監=庵野秀明 出=緒方恵美ほか
罪悪感射精

©️スタジオカラー
ご存じ、旧劇場版における冒頭のシンジの惨め射精。概要は省略。
精神崩壊したアスカの病室で、うっかり胸が見えてしまったがために我を忘れたシンジは、その場で自慰行為をしてしまう。
射精後、我に返ったシンジは手に付着した己の精液を見つめ「最低だ、俺って…」
分かり合う他者としての関係を望んでいるアスカを、ただ性欲をぶつけるために消費した。
この賢者タイムの圧倒的な自己嫌悪は、惨め射精映画を語る上で外せない場面の一つでしょう。
2. 『女王陛下のお気に入り』
2018年 監=ヨルゴス・ランティモス 出=エマ・ストーンほか
概要
あらすじ
18世紀イギリス、女王の側近であり親友のサラ(レイチェル・ワイズ)は、気まぐれで身体の悪いアン女王(オリヴィア・コールマン)を公私にわたって面倒を見ており、実質的な権力を握っていた。そこへ、貴族の地位に返り咲く陰謀を企てる没落貴族のアビゲイル(エマ・ストーン)が宮廷へやってきたことで、女王のお気に入りの座をかけた愛憎渦巻く戦いの幕が開く
監督は『ロブスター』や『聖なる鹿殺し』など奇想天外な作風ながら品のある画面作りで、好きものを虜にしてきたヨルゴス・ランティモス。
ほぼ毎作、性交渉がキャラの関係性を語る上で重要な役割を担っており、
今作も、女王のお気に入りになる為に一番有効な手段が女王と肉体関係になること、というのがポイント高い。
クンニをしたか、しなかったかの差でアビゲイルが一歩リードするところメチャクチャ笑えます。
初夜台無し射精
クンニや内偵を駆使してただの女中から成り上がっていったアビゲイルは、貴族のサミュエルと結婚することになる。
サミュエルは結婚初夜に性行為を迫るが、アビゲイルはライバルのサラの動向に頭がいっぱいであり、服も脱がないまま、相手を一瞥もしない手コキで射精させる。

©️フォックス・サーチライト/20世紀フォックス
結婚初夜に相手に見てももらえない射精をする、なんて惨めなんだろう。
この映画でエマ・ストーンが好きになりました。
3.『アメリカン・パイ』
1999年 監=ポール・ウェイツ 出=ジェイソン・ビッグズほか
概要
あらすじ
アメリカ、ミシガン州。高校卒業目前の童貞4人組は、周りに先を越されている焦りから「高校卒業までに童貞を卒業しよう協定」を結ぶ。※素人限定。どの娘を初体験相手に目星をつけるか、どう自分磨きをするか、やらせてくれない彼女をどう口説くか、各々が最終目標をプロム(卒業パーティ)の夜へと定め、果敢な挑戦が始まる!
連続先走り射精
女慣れしてない童貞の挑戦は、男になるか、一生のトラウマを抱えるかの瀬戸際を突き進む行為である。
クラスメイトの女子と自宅での勉強会イベントにこぎつけたジム。
自室にWEBカメラを仕込み、友人に向けて生配信しようとするが、誤って全校生徒に配信されてることに気づいていない。そんな中、ムラムラしている女の子の積極性が手伝い、突然セックスムードへと突入する。
しかし童貞、手を撫でられただけでイッてしまう。
.jpg)
©️ユニバーサル・ピクチャーズ/日本ヘラルド映画
全校生徒はため息と嘲笑を向けるが、ジムは食い下がった。
「予備弾がある。頼むから帰らないで」
思いがけないリザレクションに全校生徒が湧く中、ジムは初めて女性器を触る。
.jpg)
©️ユニバーサル・ピクチャーズ/日本ヘラルド映画
またイッた
翌日から尋常じゃないくらい笑いものにされたことは言うまでもない。
挿入前射精は特段珍しいものではないが、連続して二発という回復力をもってしても失敗した点と全校配信という惨めポイントは特筆するべきだろう。
4.『ドン・ジョン』
2013年 監=ジョセフ・ゴードン=レヴィット 出=ジョセフ・ゴードン=レヴィット、スカーレット・ヨハンソンほか
概要
あらすじ
スーパープレイボーイの主人公ジョンは、セックスはセックスとして、エロ動画を見るのをやめられないネットポルノ中毒。現実でどんないい女とセックスしてもポルノ以上の興奮を得られない。そんな中、ワンナイトを断られた美女バーバラ(スカーレット・ヨハンソン)に近づき、一ヶ月以上性交渉をしない健全なお付き合いを始める。はたしてその初交渉はポルノの興奮を超えられるのだろうか…。
本作、惨め射精描写は置いといて、序盤ナメて観てると意外な刺さり方をして死にます。一方的な行為と双方向の行為の違い、オナニーとセックスの差異を通して“無心になれる快楽”の本質を描き出している。1日一回はネットポルノを漁ってしまう人間は必見。
ズボン越し約束させ射精
ジョンはバーバラと付き合い始めるが、「まだ早すぎる」と言い一向にセックスさせてくれない。バーバラはジョンの性欲を巧みに利用し、ジョンを自分好みの男に育て上げようとする。

©️レラティビティ・メディア/KADOKAWA
彼女の部屋の目の前まで来て、キスと布ごしの腰振りでお預けされるジョン。
もう射精したそうなのをすかさず感知し、バーバラは「(今の職業じゃ人に紹介できなくて嫌だから)夜学校に通ってくれ」とこのタイミングで契約をふっかける。
ジョンは射精のことしか考えられないので当然イエスと言うほかない。
男の目先の射精欲を利用した、非常に巧みな教育法だろう。

©️レラティビティ・メディア/KADOKAWA
ズボン越しに射精したまま、家にも入れてもらえずマンションの廊下に放置されるジョン。
後先考えない射精のあとには、目を背けたい現実が待っているものだ。
5.『ザ・マスター』
2012年 監=ポール・トーマス・アンダーソン 出=フィリップ・シーモア・ホフマン、ホアキン・フェニックス、エイミー・アダムス
概要
あらすじ
第二次大戦後のアメリカ、復員兵のフレディ(ホアキン・フェニックス)はアルコール依存症で突然暴力をふるう壊れた人間。謎の密造酒を作ってはトラブルになり、仕事を転々としていた。そんな中、類まれなるカリスマ性を持つ新興宗教の教祖ドッド(フィリップ・シーモア・ホフマン)と出会い、惹かれ、彼に付き従うようになる。しかし、フレディの暴力性によるトラブルは、次第にドッド以外の人間からは疎まれるようになっていく。
今作、まず押さえておきたいのが肉体関係こそないが、同性愛的な関係を描いている点。
荒ぶる狂人であったフレディは、ドッドをけなした人間に暴力を振るうなど何度もトラブルを起こすが、宗教のメソッドによる自己をコントロールする修行を通して、疑似家族的な居場所を得る。
同時に、ドッドも自身が提唱しているインチキ催眠療法が確かなものだと正当付けるためにはフレディが最高のモデルケースであり、自身が指導者(マスター)である自我を成立させるための重要な存在であったりと、両者は非常に共依存的な関係を築いている。
そして、その関係を疎ましく思っているのがドッドの妻ペギー(エイミー・アダムス)であり、この三角関係が映画の肝になっている。
手コキ戒め支配射精
ある日パーティで、ドッドはフレディの作った密造酒で楽しそうに酔っぱらって踊っていた。
そのシーンの直後、ドッドが洗面台で顔を洗っていると背後からペギーが出現し、突如手コキを始める。
「私が知らないところだったら何してもいいわ。でも、その妙な考えだけはパンツの中にひっこめておきなさい。イキそう?」
「ああ」
「イッていいわ あの妙なお酒はやめて」
「やめる」
ドッドはうめき声を出しながら射精し、ペギーは手を洗って去る。
-e1650356565879.jpg)
©️ワインスタイン・カンパニー/ファントム・フィルム
どういうこと????????
難解な作中でも屈指の謎シーンである。ペギーの言い方からして、見てないところなら浮気してもいい、と言っているし、別にドッドも浮気をしているわけじゃなさそう。では“その妙な考え”とは何のことを言っているのか。
おそらくこれはフレディとの関係のことであり、女性との関係より同性愛的関係への危惧から手コキによって戒めたのである。
前述したドン・ジョンと同様、これは男の射精欲を逆手に取った巧妙な交渉法である。
同時に、このシーンだけでペギーはドッドを完全に支配しており、実質組織の影のフィクサーであることを示し出している。すごいシーン。
男の射精を支配することは、男を支配できることと同義なのだ。
2022年4月現在アマプラで配信中!